薄毛(ハゲ)が遺伝する理由とは?
確率や原因・改善する方法も解説
薄毛は、生活習慣の乱れや過度なストレス、間違ったヘアケア、遺伝によって引き起こされるといわれています。
薄毛が遺伝すると聞いて「薄毛は本当に子供に遺伝するもの?」や「親が薄毛の場合に自分も薄毛になる確率は?」と不安に思う人も少なくありません。
この記事では、薄毛が遺伝する理由や薄毛の原因であるAGAの仕組み、薄毛の改善方法などを紹介します。
【この記事でわかること】 ● 薄毛(ハゲ)が遺伝する理由 ● 薄毛(ハゲ)の原因となるAGA(男性型脱毛症)の仕組み ● 薄毛(ハゲ)が遺伝する確率 ● 遺伝以外で考えられる薄毛(ハゲ)の原因 ● 薄毛(ハゲ)を改善する方法 |
薄毛(ハゲ)が遺伝する理由
薄毛が遺伝する理由は、主に次の2つがあります。
● 5αリダクターゼの活性度が優性遺伝するから
● 男性ホルモンレセプターの感受性が隔世遺伝するから
それぞれの理由を解説します。
5αリダクターゼの活性度が優性遺伝するから
薄毛が遺伝する理由の1つは、5αリダクターゼの活性度が優性遺伝するからです。両親が5αリダクターゼの活性度の高い遺伝子を持っていた場合、その活性度が受け継がれるでしょう。
5αリダクターゼは、男性ホルモンのテストステロンと結合することでDHT(ジヒドロテストステロン)を作ります。5αリダクターゼの活性度が高いほどテストステロンと結合しやすく、より多くのDHTを合成します。
※参考:薄毛遺伝子「優性遺伝」|AGA川崎中央クリニック
男性ホルモンレセプターの感受性が隔世遺伝するから
薄毛が遺伝するもう1つの理由は、男性ホルモンレセプターの感受性が隔世遺伝するからです。
DHTは、ホルモンの情報を受け取るためのレセプターと結合します。
男性ホルモンレセプターは隔世遺伝するものであり、親族に男性ホルモンレセプターの感受性の高い人がいた場合、世代を超えて感受性も受け継がれます。
※参考:薄毛が遺伝するとは本当ですか?|男性薄毛治療に関する疑問に答えるWebマガジン
薄毛(ハゲ)の原因となるAGA(男性型脱毛症)の仕組み
AGAが発症し、薄毛が進行する仕組みは次の4ステップです。
● テストステロンと5αリダクターゼが結合する
● 脱毛因子であるDHT(ジヒドロテストステロン)が発生・増加する
● 脱毛因子である「TGF-β」が増加する
● TGF-βが毛乳頭細胞に退行期のシグナルを出す
それぞれ解説していきます。
※参考:男性型脱毛症(AGA)を治療したいなら|一般皮膚科・美容皮膚科の日比谷ヒフ科クリニック
テストステロンと5αリダクターゼが結合する
AGAは男性ホルモンの一種であるテストステロンが、還元酵素である5αリダクターゼと結合することから始まります。
テストステロンとは、約95%が精巣で、約5%が副腎で合成される男性ホルモンです(※)。
一方で、5αリダクターゼは前頭部やつむじ、後頭部、前立腺などに存在する酵素です。髪を作り出す毛母細胞に指令を出し、ヘアサイクルを整える役割を持ちます。
※参考:テストステロンについて|大東製薬工業株式会社
脱毛因子であるDHT(ジヒドロテストステロン)が発生・増加する
テストステロンと5αリダクターゼが結合することでDHT(ジヒドロテストステロン)が発生します。
DHTは、胎児期は男性器の発達に、思春期は声変わりや体毛の発生に、成人の場合はAGAや皮脂の分泌量、前立腺肥大症の発症に影響するものです。
DHTの量は、先述の通り5αリダクターゼの活性度合いと喫煙によって増え、研究によると非喫煙者と比べて14%増加するといわれています。
※参考:National Library of Medicine
脱毛因子である「TGF-β」が増加する
DHTが男性ホルモンのレセプターと結合することで、脱毛因子である「TGF-β」が増加します。
近年の研究で、TGF-βは多くの細胞に対して増殖を抑制することが明らかになりました。
TGF-βは髪の毛の成長や発育を止める信号を出します。これによりヘアサイクルが乱れて脱毛が引き起こされます。
TGF-βが毛乳頭細胞に退行期のシグナルを出す
DHTが男性ホルモンのレセプターと結合して増加したTGF-βは、先述の通り、毛乳頭細胞などの髪の毛を作る細胞に対して成長や発育を止める信号を出します。
通常、髪の寿命は約4?6年です。正常のヘアサイクルは、成長期が2?6年、退行期が2?3週間、休止期が2?3ヶ月のサイクルです。
しかし、TGF-βの作用が高まり毛乳頭細胞に退行期のシグナルを出すことで、数ヶ月?1年で成長期から退行期に移行して脱毛や薄毛が引き起こされます。
薄毛(ハゲ)が遺伝する確率は約75%
AGAの原因となる男性ホルモンレセプターの感受性や5αリダクターゼの活性度は、遺伝その遺伝すると解説しました。実際に遺伝する確率は以下のようになります。
遺伝の確率を計算すると、母方の祖父と祖母が優性の遺伝子を持っている場合は75%の確率で、祖父のみが持っている場合は50%の確率で遺伝します。
● 男性のX染色体は母方からのみ遺伝する
● 父方の家系が薄毛のケースでも遺伝する可能性がある
詳細を以下で解説します。
※参考:カズ博多クリニック
男性のX染色体は母方からのみ遺伝する
男性のX染色体は母方からのみ遺伝します。
まず男女の染色体は、男性はXY、女性はXXで構成されています。また、男性ホルモンレセプターは、X染色体に存在するものです。
男子が生まれると父親のY染色体と母親のX染色体を受け継いでXY染色体になるため、X染色体に存在する男性ホルモンレセプターは母方から遺伝します。
男性ホルモンレセプターを受け継いだからといって、必ずしもAGAが発症するわけではありません。あくまでもAGAを発症しやすい傾向にあるだけで、薄毛にならない可能性もあります。
父方の家系が薄毛のケースでも遺伝する可能性がある
父方の家系が薄毛の場合でも、AGAが遺伝する可能性もあります。
5αリダクターゼは、常染色体に存在しています。常染色体とは、ヒトの細胞にある46本の染色体のうち、男女の性を決定する遺伝子をもたない44本のことです。
そのため、両親のどちらかの家系に5αリダクターゼが活性している人がいると、その子供はAGAによる薄毛や抜け毛を引き起こす可能性が高くなります。
ただし、男性ホルモンレセプターや5αリダクターゼの活性を遺伝しても、AGAを発症しやすい体質であるだけで必ず発生するわけでありません。不安な場合は、医療機関に相談しましょう。
遺伝以外で考えられる薄毛(ハゲ)の原因
薄毛は遺伝以外にも、食事や生活習慣、ヘアケアなどで引き起こされることがわかっています。
● 栄養バランスの偏った食事
● 生活習慣の乱れ
● ストレス
● 誤ったヘアケア
● 過度な喫煙や飲酒
ここでは、遺伝以外に考えられる薄毛の原因を5つ解説していきます。
栄養バランスの偏った食事
糖分や塩分過多、野菜を食べないなどの偏った食事は、摂取できる栄養も偏ってしまい薄毛の原因となります。
髪の毛は、複数のタンパク質が結合してできたケラチンによって構成されています。ケラチンを作るためには、良質なタンパク質や亜鉛などのミネラル、ビタミンA・B6・Eが不可欠です。
偏った食事を続けることで必要な栄養素が摂取できず、髪の毛が成長せずに細い髪の毛が増えてしまうでしょう。
そうすると、地肌が目立ったり抜け毛が増えたりといった薄毛の悩みが目立ちやすくなります。
生活習慣の乱れ
食生活の乱れのほか、睡眠不足など生活習慣の乱れも、薄毛や抜け毛の要因になります。
食生活の乱れにより栄養不足になると、先述の通り健康的な髪の毛が育たなくなります。
また、睡眠はストレスの解消や成長ホルモンの分泌を促すために大切です。
睡眠不足になることで、成長ホルモンが十分に分泌されずに髪の毛が育たないだけではなく、疲労の回復やストレスの解消ができなくなります。その結果血の巡りが悪くなることで頭皮に必要な栄養を運べず薄毛になります。
ストレス
精神的・肉体的に過度なストレスがかかったり、ストレスを長期間ため込んだりしてしまうと、自律神経が乱れることで薄毛を引き起こします。
自律神経は交感神経と副交感神経を管理して、臓器の働きや体温などの体の機能をコントロールしています。
ストレスにより自律神経が乱れることで、交感神経が常に刺激されて体が緊張状態になり、血の巡りが悪くなることで薄毛や抜け毛につながるでしょう。
※参考:若年男性の就寝前唾液コルチゾール濃度と自律神経系活動バランスとの相関性|国立研究開発法人 科学技術振興機構
誤ったヘアケア
頭皮に合わないシャンプーを使っている場合や、シャンプーやドライヤーの方法などが誤っている場合も薄毛になる可能性があります。
シャンプーの使用後、頭皮が熱く感じる場合やフケが治らない場合、ドライヤーの後に頭皮が真っ赤になっている場合は、ヘアケア方法が誤っている可能性が高いでしょう。
ドライヤーの熱により頭皮の乾燥や皮脂の過剰な分泌を招きます。また、シャンプーの際に爪を立てて洗うことで頭皮を傷つけて炎症を起こします。頭皮環境が悪化することで、髪の毛が生えにくく抜けやすくなるでしょう。
過度な喫煙や飲酒
過度な喫煙や飲酒も、薄毛の原因です。
少量の飲酒は、アルコールにより血行の促進効果が期待できます。しかし、お酒に含まれるアセトアルデヒドを分解する際に髪の発育に必要な栄養素まで使ってしまいます。
その結果、栄養不足になる可能性があるでしょう。
また、喫煙すると血管の収縮を引き起こして血流が悪くなります。頭皮に栄養を運べずに髪が成長しきる前に抜けてしまったり細い毛が増えたりすることで薄毛になるでしょう。
薄毛(ハゲ)を改善する方法
ここでは、薄毛をケア・予防する6つの方法を紹介します。
● 生活習慣を見直す
● 食生活を見直す
● ヘアケアを見直す
● ストレスを解消する
● 育毛剤を使用する
● 症状が深刻な場合は医療機関を受診する
それぞれの方法を解説していきます。
生活習慣を見直す
飲酒や喫煙は適度な量に抑えて、生活習慣を見直すことが大切です。
以下に、生活習慣の乱れとそれに対する人体への影響をまとめました。
項目 | 人体に及ぼす影響 |
---|---|
過度な喫煙 | 栄養不足をまねく |
睡眠不足 | 成長ホルモンの分泌を妨げる |
なお、成長ホルモンは入眠の3時間後が最も分泌されやすいため、睡眠の質を上げることが大切です。そのため、入眠前に体を温める、入眠2時間前は食事をとらない、アイマスクで視界を暗くするといった方法で睡眠の質を上げると良いでしょう。
※参考:Vol.225 血管を元気にしよう~タバコから血管を守る~|日本生命保険相互会社
※参考:睡眠中にホルモン分泌の変化|大阪本町メディカルクリニック
食生活を見直す
日頃の行動から薄毛を改善するためには、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
食事制限や偏った食事は栄養不足を引き起こし、髪の毛が成長できずに抜け毛が増える原因になります。
先述の通り、髪の毛は8割がケラチンと呼ばれるタンパク質でできています。
そのため、以下のような食事を意識しましょう。
食品(分類) | 栄養素 |
---|---|
肉類・魚介類・乳製品など | タンパク質 |
牡蠣やレバーなど | ミネラル |
野菜類など | ビタミン |
食事で栄養を摂取できない場合は、サプリメント類で補う方法もおすすめです。ただし、複数のサプリを過剰摂取するのは悪影響なため、自分に合ったものを選びましょう。
※参考:髪の基礎知識 vol.13 髪の成分|デミ コスメティクス
ヘアケアを見直す
ヘアケアの見直しも、薄毛対策として有効です。
シャンプー後に頭皮がヒリヒリする場合は、頭皮に合っていないおそれがあります。したがって、洗浄力が優しいものや肌荒れ防止の有効成分が配合したシャンプーに変えましょう。
また、シャンプーの際に頭がかゆいからといって爪を立てて洗ったり、1日に何度もシャンプーをしたりすると、頭皮の炎症や皮脂の過剰分泌につながるので注意が必要です。
また、髪を乾かす際もできるだけ早く低温のドライヤーで30cm以上離して乾かすと良いでしょう。頭皮環境の悪化を防ぐためにも、頭皮が濡れたままの状態で寝ないことも大切です。
ストレスを解消する
過度なストレスは、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を減らしたり、血行不良を起こしたりなど、薄毛や抜け毛を引き起こします。
ストレスを定期的に発散するためには、以下の行動がおすすめです。
● 継続できる軽い運動や会話を楽しむ
● 温泉でゆっくりする
● 趣味を始める
● 朝起きて散歩すること
● ショッピングを楽しむ
上記のような活動で、心身を休めることが大切です。ストレスの発散方法は人によるため、自分に合った方法を見つけましょう。
※参考:ストレスと月経不順|東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部
育毛剤を使用する
誤ったヘアケアや花粉やほこり、紫外線などの外部ダメージにより頭皮が炎症している場合は、育毛剤の使用がおすすめです。
半年以上使用することで、育毛剤の保湿成分が頭皮の乾燥を防ぎフケやかゆみを抑えてくれます。また、有効成分により皮脂の過剰分泌や炎症を抑える効果も期待できます。
育毛剤を購入するなら、快適生活がおすすめです。快適生活であれば、さまざまな種類の商品から自分に合った商品を選べるだけではなく、定期購入により通常より割安で購入できます。
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症状が深刻な場合は医療機関を受診する
上記の対策でも薄毛が改善されない場合は、AGAなどの脱毛症や皮膚疾患を起こしている可能性があります。
AGAは医療機関で治療が可能なため、早めにAGAクリニックや皮膚科を受診することが重要です。
薄毛の遺伝に関するよくある質問
薄毛の遺伝に関して、3つのよくある質問にお答えします。
● 親がハゲではない場合に薄毛になる可能性はある?
● 女性の薄毛(ハゲ)は遺伝ではないといえる?
● 遺伝による薄毛(ハゲ)は結局どうしようもない?
それぞれ解説していきます。
親がハゲではない場合に薄毛になる可能性はある?
AGAは親族がハゲではなくとも、薄毛になる可能性はあります。
また、薄毛は遺伝的な要因以外でも生活習慣や過度なストレス、頭皮環境の悪化、脱毛症により引き起こされます。
誰でも薄毛や抜け毛になる可能性があるので、親がハゲではないから薄毛にならないとはいえません。
女性の薄毛(ハゲ)は遺伝ではないといえる?
女性の薄毛は男性に比べるとそのリスクは低いものの、遺伝で起こる可能性があります。
両親が薄毛でない限り遺伝する確率は低く、遺伝で引き起こされる薄毛は約25%です。
女性の薄毛は、出産や閉経に伴うホルモンバランスの乱れや加齢、ストレス、脱毛症が原因であることが多いといわれています。
遺伝による薄毛(ハゲ)は結局どうしようもない?
遺伝によるAGAは、投薬や注入治療で進行を遅らせることが可能です。
AGAは初期の症状で治療を始めた場合、薄毛を放置した人に比べて使用する薬の種類が少なく済むため治療費を抑えられます。
20歳からAGA専門クリニックや医療機関で治療を開始できるため、親族に薄毛の人がいる場合は早期治療が重要です。
※参考:薄毛は遺伝によるものなのか?|札幌中央クリニック
遺伝による薄毛は日々の行動や習慣を見直そう
AGAによる薄毛は、5αリダクターゼの活性度や男性ホルモンレセプターの感受性が約75%の確率で遺伝します。
AGAが発症した場合、投薬治療や注入治療などが必要です。AGAが発症していない場合は、以下の行動でケア・予防ができます。
● 生活習慣の見直し
● ストレスの発散
● 食生活の改善
● ヘアケア方法の見直し
● 育毛剤の長期使用など
特に育毛剤は、保湿ケアや頭皮環境の改善など、髪の毛を成長させるための土台作りとして有効です。
自分に合った育毛剤を探している人は、快適生活がおすすめです。快適生活では、ドラッグストアなどで販売されていない育毛剤も取り扱っているため、自分に合った商品を見つけられます。
また、定期購入で申し込むと通常価格より割安で購入でき、定期的に配送してくれるため購入忘れも防げます。ぜひ一度、快適生活の育毛剤をお買い求めください。
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監修者:石上 ゆき(いしがみ ゆき) 薬事法管理者、コスメコンシェルジュの資格を保有。SEO会社にてリスティング1年、SEOサイトの作成を3年間行う。LP作成やサイト設計を含めた立ち上げから記事執筆、ディレクション、校正などSEOサイト作成が得意。その他、コスメコンシェルジュや薬事法管理者の資格を生かした記事チェックやリライトも可能。 |