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ドローン測量の手順とは?
メリット・デメリットや必要な準備も解説


この記事では、ドローン測量や手順について解説します。

ドローン測量とは、土地の広さや高さ、起伏などをドローンで行うことです。測量にドローンを活用することで、現場で抱えるさまざまな悩みを解消するのに役立ちます。

しかし、ドローン測量はどのような手順で行えば良いのかわからない人も一定数います。

ドローン測量の方法を知って効率アップやコスト削減を実現したい人、ドローン測量に興味がある人は、この記事をぜひ参考にしてください。



【この記事でわかること】
● ドローンによる3次元測量とは?
● ドローンを使った測量の主な手順
● ドローン測量のメリット・デメリット
● ドローン測量で必要な準備





ドローンによる3次元測量とは?


3次元測量とは、幅・奥行き・高さの3種類の指標を基準に、対象となる物体の形状をはかる方法です。

本来、測量とは土地の広さや高さ、起伏などをはかる仕事です。2人1組で測量機器を使う従来の方法では、100坪の土地を測量するのに1日かかってしまうこともありました。

近年では、ドローンで地形や地表を撮影・計測し、測量にかかっていた時間や手間を減らすことが可能になっています。

また、従来の手法では収集が難しかった場所のデータ取得も可能です。ドローンによる3次元測量の方法は以下の通りです。

● 写真測量
● レーザー測量

順番に見ていきましょう。

写真測量

写真測量とは、ドローンに搭載した光学カメラで写真を複数枚撮影し、写真をつなぎ合わせて地形のデータを得る方法です。

後述するレーザー測量に比べて、低コストで済ませることが可能です。初期費用を抑えながらドローンで測量したい場合に適しています。

手軽に測量ができる一方で、正確さに欠ける点がデメリットです。樹木が多い場所は地面の起伏がわかりにくく正確な測量が難しいため、ほかの測量方法と組み合わせなければなりません。

また、写真同士をつなぎ合わせるため、特徴のない平面的な景色や反射によって写真ごとにイメージが変わる景色には不向きです。

地表が樹木などで遮られている場合も、レーザー測量のほうが向いているでしょう。

レーザー測量

レーザー測量は、ドローンにレーザースキャナを搭載し、レーザー光を地表に照射します。

地形や物体にレーザー光が反射して戻ってくる時間によって、地表からの距離をデータ化することが可能です。

樹木の多い場所の起伏も測量できるので、詳細なデータを取得するのに適しています。

中でも、「グリーンレーザー測量」は特殊なレーザーを使用し、水の影響を受けにくい点が特徴です。河川や港湾などの水底を測量する場合、ドローンでグリーンレーザー測量を行うと便利でしょう。

ただし、グリーンレーザー測量は大型のドローンを使用しなければならず、コストがかかりやすいので注意してください。





ドローンを使った測量の主な手順


ドローン測量は適切な手順に従って進めることで、失敗や事故のリスクを下げるのに役立ちます。ドローンを使った測量の主な手順は以下の通りです。

1. 測量する範囲の現地調査を実施する
2. 飛行ルートを作成する
3. GCP(地上の基準点)を設置する
4. ドローンを使ってデータを取得する
5. 取得したデータを専用ソフトで解析する

上記5つの手順についてわかりやすく解説するので、ドローンを使って測量を行いたい人はチェックしてみましょう。

測量する範囲の現地調査を実施する

測量を行う前に、まずは測量する範囲の現地調査を実施します。ドローン測量に支障がないか、以下の点を確認しましょう。

● ドローンの飛行禁止空域ではないか
● 送電線のような障害物はないか
● 自動操縦で飛行できる通信状況であるか

測量範囲内が飛行禁止空域となっていた場合、測量の14日以上前に許可申請を得なければなりません。

また、自動操縦で飛行中のドローンが電波干渉を受けると、墜落や暴走などのトラブルにつながります。電波干渉を受けにくいエリアであるかを、事前に確認しましょう。

ほかにも、実際に現場の様子から、写真測量とレーザー測量のどちらがより適しているのか、見極めることも重要です。

飛行ルートを作成する

次に、地図を見ながら測量する場所の飛行ルートを作成します。

不適切な飛行ルートで測量すると、正確なデータを得られません。測定方法やドローンの性能によって適切な飛行ルートは変わるため、慎重に決める必要があります。

特に、初めてドローンで測量する場合、経験者に助言してもらえば良い飛行ルートを見極めやすいでしょう。

より質の高いデータを得るためには、飛行ルートの作成と共にドローンの設定が必要です。

● 飛行高度や飛行速度
● 撮影する写真の縦・横のラップ率
● カメラ角度
● 写真の明るさの調整

飛行ルートのほかに、設定内容も確認しましょう。

GCP(地上の基準点)を設置する

ドローンを使って測量するには、GCP(地上の基準点)を設置することが必要です。GCPとは、「グラウンドコントロールポイント」の略で、座標がわかっている地上点を指します。

GCPを設置するには、まずトータルステーションといった測量機を使って距離や角度を測定し、チェッカーを設置します。

チェッカーを基準にすれば、ドローンの撮影した写真の場所を確認したり、3Dソフトへの自動認識を行ったりすることが可能になるでしょう。

ただし、GCPは円形または辺長で、なおかつ直径15ピクセル以上の寸法規定を守らなければならないので注意してください。

ドローンを使ってデータを取得する

準備が整ったら、あらかじめ作成した飛行ルートに従って、ドローンを自動操縦で飛行させます。

飛行高度やシャッター速度なども自動で制御されるので、操作に慣れていない人も不安が少ないでしょう。

ただし、ドローンで撮影する写真は、ラップ率の基準を満たさなければなりません。ラップ率の高低は、3Dデータを作成する際のクオリティにも影響します。

ドローンがあらかじめ決められた飛行ルートを往復することで、適切なラップ率を保てるでしょう。

しかし、連続して写真を撮影するとコマ落ちする場合があり、写真の解析作業に支障をきたすケースがあります。操縦者はモニターをチェックしながら、しっかりデータが取得できているか確認しましょう。

また、地形の測量が難しい場所は自動操縦に適しておらず、手動操縦に切り替えなければなりません。万が一、データに問題があれば、再度ドローンを飛行させて取得し直しましょう。

取得したデータを専用ソフトで解析する

撮影が終了したら、取得したデータを専用ソフトで解析し、3Dデータの作成に移ります。3Dデータとは以下のものを指します。

3Dデータの種類 詳細
点群データ ● 位置情報と色情報を持った点の集合データである
● 地形や物体などをデータ収集することで図面がなくても3Dモデルにできる
オルソ画像 ● ドローンが空撮した写真を、真上から見ているように変換された画像である
● 建物や地形の正確な位置・大きさがわかる

点群データはドローン測量ならではの強みであり、3Dデータから2Dの図面を作成することも可能です。

ただし、膨大な量のデータを処理するために、ハイスペックなPCを用意しなければならず、導入コストがかかる点に注意しましょう





ドローン測量のメリット


ドローン測量は従来の測量と比較して、以下のメリットがあります。

● コストを抑えられる
● 広い範囲を短時間で測量できる
● 測量できる場所が多い
● 3Dモデルの作成が可能

上記4つのメリットについて詳しく解説するので確認していきましょう。

コストを抑えられる

ドローン測量は、コストを抑えられる点がメリットの1つです。

従来の測量方法は2人1組で行うほか、広い土地や高低差のある土地は測量の難易度が上がります。より多くの人員が必要となるだけでなく、時間や費用も比例して増えるでしょう。

一方、ドローン測量はドローン1台で測量を行うことが可能です。従来の測量方法に比べて、作業日数や作業人員を大幅に減らせます。

また、取得したデータは3Dデータの作成処理が容易であるため、製図やデータ分析にかかる手間や時間の削減も見込めるでしょう。

人的コストを抑えられるだけでなく、コストパフォーマンスのアップにつながるのは、ドローン測量ならではの魅力です。

広い範囲を短時間で測量できる

作業員が歩いて測量を行うより、ドローンの飛行速度のほうが早く、広範囲を短時間で測量できます。解像度や精度の高いデータを収集するため、地形や地表の詳細な部分まで把握が可能です。

また、作業員が測量を行う場合、測量できるエリアが限られてしまうケースが珍しくありません。ドローンなら、空撮で測量するため範囲の制約を受けず、水底も測量の対象となります。

効率良く測量を実施したいケースでは、ドローン測量の強みが発揮されるでしょう。

測量できる場所が多い

ドローンは必ずしも現地に赴かなければならないわけではないほか、用意する道具も少なく住むため、測量できる場所が多いのが魅力です。

山林や山奥、災害現場などは、作業員の立ち入りや機材の運び込みが難しく、測量にはリスクを伴います。

一方、ドローンは上空から地表の様子を撮影するので、測量する場所を選びません。危険のあるエリアでも、作業員の安全を確保して測量を進められるでしょう。

3Dモデルの作成が可能

ドローン測量であれば、3Dモデルの作成が簡単な点もメリットといえます。

本来、人の手を介して3Dデータを作成する場合、数値を手作業で入力しなければならず、中には3Dモデルを外注化している事業所も少なくありません。

しかし、ドローンが取得した地形情報を活用すれば、専用ソフトで簡単に3Dモデルを作成できます。ドローン測量なら自社で3Dモデルの作成に取り組むことも可能となり、外注費用をかけずに済むでしょう。

中でも、点群データを3D化する専用ソフトは「SfM処理ソフト」といい、複数の会社から販売されています。デスクトップ上で処理する買い切り型のソフトは、一度支払えば長期間にわたって使えます。

一方、クラウド上で処理するソフトは月額もしくは使用した分によって支払う仕組みが一般的です。使用頻度に応じて、よりコストパフォーマンスの良いソフトを選ぶと良いでしょう。





ドローン測量のデメリット


ドローン測量はメリットだけでなくデメリットもあるので、実際に導入する前に把握しておく必要があります。ドローン測量のデメリットは以下の通りです。

● バッテリー交換の手間が発生する
● 場合によっては費用が高くなる

上記2つのデメリットについて詳しく解説するので、先述したメリットと比較してみましょう。

バッテリー交換の手間が発生する

多くのドローンはバッテリー駆動であるため、交換の手間が発生しやすい点がデメリットといえます。

ドローンを飛行する環境や積載重量によって異なるものの、バッテリーは数十分ほどで切れてしまうものがほとんどです。特に、カメラやレーザースキャナを搭載すると、重量が増えるため、バッテリーも消耗しやすくなります。

広範囲な測量を行う場合も、ドローンの飛行時間が長くなるので、途中でバッテリー交換が必要です。離着陸を繰り返さなければならず、その都度測量が中断されるので、人によってはストレスに感じるでしょう。

バッテリー交換の手間が気になる人は、飛行時間の長い商品やシンプルな性能の商品を選ぶことをおすすめします。

また、できるだけバッテリーを長持ちさせるには、急な加速・停止や障害物のある飛行ルートを避けることも重要です。

場合によっては費用が高くなる

ドローン測量は従来の方法と比較して低コストになりやすい一方、場合によっては費用が高くなるケースがある点に注意が必要です。

ドローン測量でコストの削減が期待できるのは、作業員による測量が難しい場所です。広大で高低差のある場所や、湾岸・河川などは、ドローンの効率が良いでしょう。

一方、比較的狭い土地や高低差のない土地であれば、作業員が直接測量したほうが短時間で済む場合もあります。

初期費用をかけてドローンを導入したほうがコストを抑えられるのか、土地の状態を確認した上で検討する必要があります。





ドローン測量で必要な準備


ドローンを用いた測量は、方法によって必要なものが異なり、実施予定の測量方法に併せて準備を進めることが望ましいといえます。

ここでは、ドローン測量で必要な準備について以下の内容を解説します。

● 写真測量の場合
● レーザー測量の場合

順番に見ていきましょう。

写真測量の場合

写真測量の場合、レーザー測量に比べて高額なアイテムを用意する必要がないため、導入コストを抑えやすい点が特徴です。

測量前に準備するものと費用目安を一覧表にまとめたので確認してみましょう。



準備するもの 費用目安
中〜大型のドローン 20万円〜
カメラ・レンズ
(ドローンに搭載されている場合は不要)
0〜数百万円程度
ソフトウェア 50万円前後

そのほかにも、GCPを設置せずにドローンのカメラ位置データを取得したい場合、PPK後処理ソフトを用意します。

また、ドローンは飛行中に何らかのトラブルが生じて墜落し、人や車、家屋に損害を与えるリスクはゼロではありません。ドローンの機体や搭載カメラが故障してしまうケースもあります。

さまざまなリスクに備えるために、ドローン保険に加入するのがおすすめです。具体的な保障内容は商品ごとに異なるため、必要な保障が受けられるものを選びましょう。

レーザー測量の場合

レーザー測量で使用するレーザースキャナは高価なうえ、重量があるため大型のドローンを用意する必要があります。写真測量に比べて準備にコストがかかりやすいといえます。

レーザー測量で準備するものと費用目安は以下の通りです。



準備するもの 費用目安
大型のドローン 100万円前後
レーザースキャナ 1,000万円前後
ソフトウェア 50万円前後

レーザー測量で使用するドローンやレーザースキャナは高額であるため、飛行中に故障した場合、多大な損害が発生します。

写真測量と同様にドローン保険への加入を検討しましょう。





写真測量ならカメラ付きのドローンがおすすめ


写真測量を行うにはカメラ機能を搭載したドローンが必要です。導入コストを抑えながら、作業員が入りにくい場所まで正確に測量できます。

低コストのドローンで写真測量を始めてみたい人は、快適生活のカメラ搭載ドローンがおすすめです。高画質なカメラが搭載されているドローンなら、地表のデータを取得しやすく、3Dデータの作成にも活かせます。

また、快適生活のカメラ搭載ドローンなら、総重量が100g未満であるため機体登録や飛行免許が必要ありません。初めてドローンを操縦する人でも、安心して測量に活用できます。

写真測量に挑戦してみたい人は、ぜひ快適生活のカメラ搭載ドローンを導入してみましょう。



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ドローン測量に関するよくある質問


最後に、ドローン測量に関するよくある質問を紹介します。

● ドローン測量には資格や免許が必要?
● 将来的に全ての測量をドローンが実施する可能性はある?

疑問の解消にお役立てください。

ドローン測量には資格や免許が必要?

測量を行うには、国土地理院が認定する「測量士」または「測量士補」という国家資格を取得する必要があります。



資格名 実施可能な業務
測量士 測量計画の作成から実測まであらゆる業務を行える
測量士補 自身で測量計画の作成はできず、測量士が作成した測量計画に沿って作業を進める

※2024年7月現在
※参考:測量士・測量士補の資格のページ|公益社団法人日本測量協会

上記の資格を取得すれば、国や県、市町村などから発注される公共事業において、測量の実施が可能です。

また、測量でドローンを用いる場合、レベル1〜3はドローンの操縦資格を持っている必要はありませんが、レベル4に限っては操縦資格が必要となります。



レベル 飛行内容
レベル1 目視内での手動操縦
レベル2 目視内での自動操縦
レベル3 無人地帯で補助者なしの目視外飛行
レベル4 有人地帯での補助者なしの目視外飛行

測量を行う場所は無人地帯であることがほとんどであるため、基本的には免許がなくても測量できるでしょう。

ただし、資格所有者は、「ドローンに関する基礎知識や操縦スキルを習得している」と技能を証明できるので、顧客からの信頼性が高まるでしょう。

将来的に全ての測量をドローンが実施する可能性はある?

将来的に、全ての測量をドローンが実施する可能性は低いといえます。

ドローンの活用によって効率良く測量できるだけでなく、コストも抑えられるようになりました。従来の測量のように多くの時間や作業員を必要としなくなったため、測量士の仕事量が減ってしまう可能性はあります。

しかし、ドローンの自動操縦では対応できない環境・地形もあるほか、収集したデータの内容の正確性をチェックするには、人の手や目を介する必要があります。

データの誤差が生じた際は、人の手によって修正しなければなりません。

また、ドローンを使用せずに測量したほうがコストがかからない地形もあるため、必ずしもドローンが人の仕事を奪うとは限りません。





ドローン測量のメリットを活かしてコストや時間を抑えよう


ドローン測量は写真測量とレーザー測量の2種類があり、測量に適した地形がそれぞれ異なります。初期コストや準備するものも異なるため、気軽にドローン測量を導入するのであれば写真測量がおすすめです。

また、ドローン測量はコスト削減や効率性アップのほか、従来の測量では手間がかかっていた3Dモデルの作成が簡単に行えます。

作業員の安全にも配慮できるので、山奥や災害現場のようなリスクを伴う地形にも適しているでしょう。

ドローン測量に興味がある方は、快適生活のカメラ搭載ドローンがおすすめです。快適生活のカメラ搭載ドローンは、リアルタイムで映像を確認しながら操作を進められます。

総重量100g未満でコンパクトなデザインであり、持ち運びも楽々です。

初期費用を抑えたい方や初心者向きのドローンを試してみたい方は、快適生活のカメラ搭載ドローンで測量を始めてみましょう。



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