亜鉛が髪の毛にもたらす効果とは?
不足した場合の摂取量や補う方法も
亜鉛は髪の毛に良いのか、薄毛や抜け毛に影響はあるのか、といった疑問を持つ人は少なくないでしょう。
髪の毛は主にケラチンと呼ばれるタンパク質から出来ており、亜鉛は健康的な髪の毛を保つために必要な栄養素の1つです。
この記事では、亜鉛が髪の毛にもたらす効果や健康的な髪の毛を保つために必要な摂取量、亜鉛を効率よく摂取する方法を解説します。
【この記事でわかること】 ● そもそも亜鉛とはなにか ● 亜鉛が髪の毛にもたらす効果 ● 髪の毛に不足した亜鉛はどのくらい摂取するべきか ● 髪の毛に不足した亜鉛を補う方法 |
そもそも亜鉛とは?
亜鉛は、骨格筋や骨、皮膚、肝臓、脳、腎臓などに約2,000 mg存在するミネラルです。
ミネラルは健康維持に必要な5大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)の1つです。5大栄養素は、身体の機能を最適に保つために摂取する必要があります。
亜鉛は、免疫機能の維持やタンパク質とDNAの合成、皮膚や髪の健康のために不可欠です。
亜鉛不足は髪の毛の成長を阻害し、髪質の低下や頭皮の悪化、ヘアサイクルの乱れによる脱毛や薄毛の原因となるおそれがあります。
そのほか、皮膚炎や味覚障害、慢性下痢、免疫機能障害、成長遅延、性腺発育障害の原因になるおそれがあるので、意識して摂取しなければなりません。
亜鉛は牡蠣や肉類、豆類、ナッツ、全粒穀物などの食品に含まれていますが、過剰摂取は体に悪影響を及ぼすため摂取量には注意しましょう。
※参考:「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書(2020 年版)|厚生労働省
亜鉛が髪の毛にもたらす効果
亜鉛は髪の健康に深く関わるミネラルです。亜鉛は髪の毛と頭皮の健康を維持するために必要で、具体的には次の3点の効果が期待できます。
● 髪の毛の主成分であるケラチンを合成する
● 育毛サイクルを整える
● AGAの進行を抑える
それぞれ解説します。
※参考:「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書(2020 年版)|厚生労働省
髪の毛の主成分であるケラチンを合成する
亜鉛は、髪の毛の主成分であるケラチンを合成します。
ケラチンは、髪の毛や爪、皮膚の表皮など、人間の体の多くの部分を構成するタンパク質で、髪の毛の約90%をケラチンが占めています。
ケラチンが硬く丈夫であるため、髪の毛は熱や化学物質、物理的な摩擦などの環境ストレスに耐えられます。また、ケラチンは髪の毛の弾力と光沢を保つ役割も果たしています。
そのため、髪の毛が健康で美しく保つためには、ケラチンの生成と維持が重要です。
亜鉛は、タンパク質の生産に必須のミネラルで、特に髪の毛の主成分であるケラチンの合成には欠かせません。
亜鉛はアミノ酸の代謝に関与し、これらのアミノ酸が結合してケラチンなどのタンパク質を形成します。
そのため、亜鉛が不足するとケラチンの生産が低下し、髪の毛が弱くなり痛みや脱毛を引き起こすおそれがあります。
※参考:【サプリメント】亜鉛|ふくずみ皮フ科形成外科
育毛サイクルを整える
髪の毛の成長は、成長期・退行期・休止期の3つサイクルで回っています。
● 成長期:2~6年間続き、毛母細胞が活発に分裂して髪の毛を形成する
● 退行期:成長期の終わりに訪れ、約2~3週間続く。毛母細胞の活動が徐々に停止し、髪の毛の成長が止まる
● 休止期:約2~3ヶ月続き、新たな毛母細胞が形成されて次の成長期に備える
毛母細胞は髪の毛を生成するために細胞分裂を繰り返す必要があります。亜鉛は、細胞分裂に必要な酵素の一部を活性化する役割を果たすため、重要な成分です。
例えば、DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素は、DNAの複製に重要な役割を果たし亜鉛イオンの存在下で最適に機能します。
このように、亜鉛は細胞質分裂のプロセスを調節する多くの酵素の活性化に関与しています。
そのため、亜鉛が不足すると毛母細胞の分裂が遅くなり、新しい髪の毛の生成が阻害され、髪の毛の成長遅延や脱毛を引き起こすのです。
※参考:薄毛・育毛|京都府福知山市まつもと皮膚科クリニック
AGAの進行を抑える
AGAは、成長期が短くなり退行期と休止期が長くなることで、新しい髪の毛の成長が抑制され薄毛や抜け毛が進行する病気です。
AGAは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が関与しています。
DHTは、体内のテストステロンが5α-リアクターゼと呼ばれる還元酵素によって変換され生成されます。
DHTが毛包に結合して毛周期を乱し、毛包の細胞分裂を遅らせることが、成長期を短縮し脱毛や抜け毛を引き起こす原因です。
まだ科学的な根拠はないものの、亜鉛はDHTを作り出す原因の1つである5α-リアクターゼを抑制する作用があるため、AGAの進行を抑える効果が期待されています。
※参考:【サプリメント】亜鉛|ふくずみ皮フ科形成外科
髪の毛に不足した亜鉛はどのくらい摂取するべき?
亜鉛はすべての食べ物に配合されているわけではないので、サプリメントなどを利用して意識的に摂取する必要があります。
また、亜鉛の過剰摂取は貧血や胃もたれなどの胃の不調を引き起こすおそれがあるため、注意が必要です。ここでは、亜鉛の1日あたりの推奨摂取量と注意点を解説します。
● 亜鉛の1日あたりの推奨摂取量
● 亜鉛の過剰摂取には注意が必要
順番に見ていきましょう。
亜鉛の1日あたりの推奨摂取量
亜鉛の1日の推奨摂取量は厚生労働省「『日本人の食事摂取基準』策定検討会報告書(2020年版)」によると、18歳から69歳までの男性が11mg、18歳から69歳までの女性が8mgとされています。
性別 | 男性 | 女性 | ||||
年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 耐容上限量 |
18~29歳 | 9 | 11 | 40 | 7 | 8 | 35 |
30~49歳 | 9 | 11 | 45 | 7 | 8 | 35 |
50~64歳 | 9 | 11 | 45 | 7 | 8 | 35 |
65~74歳 | 9 | 11 | 40 | 7 | 8 | 35 |
75以上(歳) | 9 | 10 | 40 | 6 | 8 | 30 |
妊婦(付加量) | - | +1 | +2 | = | ||
授乳婦(付加量) | - | +3 | +4 | = |
※参考:「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書(2020 年版)|厚生労働省
しかし、下記の表のように亜鉛が含まれている食品は少ないため、成人した男女が必要な亜鉛の摂取量8~11mgを毎日摂取することは困難です。
亜鉛を効率よく摂取するためには、食事だけでなくサプリメントなどの利用がおすすめです。
食品名 | 亜鉛含有量 (mg/100g) |
大人1食分のおおよその量 | |
単位(重量) | 亜鉛含有量(mg) | ||
牡蠣 | 13.2 | 5粒(60g) | 7.9 |
豚レバー | 6.9 | 1食分(70g) | 4.8 |
牛肩ロース(赤肉・生) | 5.6 | 1食分(70g) | 3.9 |
牛肩肉(赤肉・生) | 5.7 | 1食分(70g) | 4.0 |
牛もも肉(生) | 4.0 | 1食分(70g) | 2.8 |
牛レバー | 3.8 | 1食分(70g) | 2.7 |
鶏レバー | 3.3 | 1食分(70g) | 2.3 |
牛ばら肉 | 3.0 | 1食分(70g) | 2.1 |
ほたて貝(生) | 2.7 | 3個(60g) | 1.6 |
めし(玄米) | 0.8 | 茶碗1杯(150g) | 1.2 |
うなぎ | 1.4 | 1/2尾(80g) | 1.1 |
めし(精白米) | 0.6 | 茶碗1杯(150g) | 0.9 |
豆腐(木綿) | 0.6 | 半丁(150g) | 0.9 |
たらこ | 3.1 | 1/2腹(25g) | 0.8 |
カシューナッツ(フライ) | 5.4 | 10粒(15g) | 0.8 |
納豆(糸引き) | 1.9 | 1パック(40g) | 0.8 |
煮干し | 7.2 | 5尾(10g) | 0.7 |
アーモンド(フライ) | 4.4 | 10粒(15g) | 0.7 |
卵黄 | 4.2 | 1個(16g) | 0.7 |
そば(ゆで) | 0.4 | ざるそば1枚(180g) | 0.7 |
プロセスチーズ | 3.2 | 1切れ(20g) | 0.6 |
※参考:亜鉛欠乏症の診療指針2018|一般社団法人日本臨床栄養学会
亜鉛の過剰摂取には注意が必要
亜鉛は体にとって必要不可欠なミネラルですが、過剰に摂取するといくつかの問題を引き起こすおそれがあります。
亜鉛は他のミネラルと同じ吸収経路を使用するため、亜鉛を過剰に摂取すると、鉄やカルシウムなどの重要なミネラルの吸収が阻害され、体内のバランスが乱れるおそれがあります。
また、亜鉛の過剰摂取は吐き気や嘔吐、下痢、胃痛などの消化器の問題や免疫機能の低下を引き起こすおそれがあるため、むやみな過剰摂取は避けるべきでしょう。
髪の毛に不足した亜鉛を補う方法
亜鉛不足はたんぱく質の生成や毛母細胞の分裂にかかわるため、不足すると健康的な髪の毛の成長に支障をきたします。
ここでは、髪の毛に不足した亜鉛を補う2つの方法を解説します。
● 亜鉛が多く含まれる食材を食べる
● 亜鉛サプリメントを摂取する
それぞれ解説します。
亜鉛が多く含まれる食材を食べる
亜鉛を摂取するには、亜鉛を多く含む食材を食べるといいでしょう。
亜鉛が摂取できる食材は以下の通りです。
牡蠣 | 牡蠣には亜鉛以外にも、プロテイン・ビタミンB12・鉄など、健康に重要な栄養素が多く含まれています。 |
赤肉 | 牛肉や豚肉などの赤肉は、亜鉛の良好な供給源です。また、高品質のタンパク質と鉄分を提供します。 |
鶏肉 | 鶏肉は亜鉛の良好な供給源であり、特に鶏胸肉には多くの亜鉛が含まれています。 |
シーフード | カニやロブスターなどの甲殻類は特に亜鉛を多く含んでいます。 |
豆類 | 豆類(特にレンズ豆やチックピースなどは、亜鉛の良好な植物性供給源です。 |
ナッツと種子 | ナッツや種子(特にカシューナッツやパンプキンシード)には、亜鉛が豊富に含まれています。 |
メニューに取り入れたりナッツ類を間食として摂取したりする方法がおすすめです。
亜鉛サプリメントを摂取する
亜鉛は食材に含まれるものの、ベジタリアンやビーガンのように肉やシーフードを食べない人、または特定の食事制限がある人は、食事だけで十分な亜鉛を摂取することが難しい場合があります。
その場合は、亜鉛が含まれたサプリメントの使用がおすすめです。
サプリメントには亜鉛以外にも、マルチビタミンやミネラル、鉄などを含むものがあるため、現代人によくある栄養バランスの偏りの改善に有効です。
※参考:亜鉛|厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』
薄毛や抜け毛に対してさらに効果を感じたい人におすすめの方法
食事やサプリメントで亜鉛を摂取するほかに薄毛や抜け毛の対策をしたい場合は、次の2つの方法がおすすめです。
● 亜鉛が含まれる育毛剤を使う
● サプリメントと育毛剤を併用する
それぞれ解説します。
亜鉛が含まれる育毛剤を使う
亜鉛は皮膚の健康にも重要で、保湿剤として頭皮に直接塗布すると頭皮の乾燥やフケ、炎症を防げます。
薄毛や抜け毛の要因の1つに、頭皮環境の悪化で髪の毛が生えにくい環境が挙げられます。
この頭皮の炎症は、過剰なストレスや生活習慣の乱れ、誤ったヘアケアによる外部からのダメージによるものです。
亜鉛が含まれる育毛剤を半年以上継続し、適度な運動や適切なヘアケアを実施すると、高い効果を期待できます。
サプリメントと育毛剤を併用する
薄毛や抜け毛のケアには、体の内側と外側の両方からのアプローチが重要です。そのため、サプリメントと育毛剤の併用は効果的な手段といえます。
サプリメントは、亜鉛以外にも食事だけでは補いきれない栄養素を補えます。特にビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、亜鉛、鉄などは髪の毛の成長に重要な要素です。
また、育毛剤は頭皮を保湿し、頭皮の炎症を抑える有効成分により頭皮環境を整え、発毛を促進する効果を期待できます。
サプリメントと育毛剤を併用することで、より効果を見込めます。
育毛剤なら快適生活がおすすめ
育毛剤は有効成分で炎症を抑える効果を持ちますが、半年以上継続する必要があります。
そのため、育毛剤を選ぶ際は、乾燥によるかゆみやフケ、炎症による頭皮環境の悪化など、自分の症状に合わせるようにしましょう。
また、継続できる値段であることや自分の好みの使い心地であることも大切です。
快適生活なら、ドラックストアなどの市販では売っていないさまざまな商品から自分に合った育毛剤を選べます。定期購入を利用すれば割安で購入でき定期的に届くため、買い忘れなく利用できます。
中には保湿成分として亜鉛が含まれている育毛剤や、サプリメントと育毛剤がセットになっている商品、薬用スカルプシャンプーと育毛剤のセットがあります。自分のニーズに合わせて購入しましょう。
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髪の毛と亜鉛に関するよくある質問
髪の毛と亜鉛に関して、よくある3つの質問にお答えします。
● 亜鉛で髪の毛が早く伸びるって本当?
● 亜鉛を摂取すると髪の毛以外の体毛が濃くなる?
● 亜鉛は白髪にも効果があるの?
それぞれ解説します。
亜鉛で髪の毛が早く伸びるって本当?
亜鉛の摂取で髪の毛が早く伸びる可能性はありますが、効果はすぐに出るわけではないので注意しましょう。
亜鉛は、髪の毛の主成分であるケラチンというタンパク質を生成するために必要とされています。そのため、摂取目安量通りに亜鉛を摂取し続けると、健康的な髪の毛を成長させる手助けをしてくれます。
一方で、亜鉛は過剰摂取をすると、ミネラルの吸収阻害や貧血や胃もたれなどの消化機能の不調を引き起こすおそれがあるため、摂りすぎないようにしましょう。
亜鉛を摂取すると髪の毛以外の体毛が濃くなる?
亜鉛を摂取することで髪の毛以外の体毛が濃くなるという主張は、科学的に証明されていません。
亜鉛は髪の成長や健康に関与する重要な栄養素ですが、体毛の量や質に直接影響を与えるわけではありません。
亜鉛は白髪にも効果があるの?
亜鉛が白髪に直接的な効果をもつかどうかについて、科学的な証拠はまだ不十分です。白髪の原因は複雑で、遺伝的な要素や酸化ストレス、メラニン色素の減少などが関与しています。
亜鉛は抗酸化作用を持ち、細胞の酸化ストレスを軽減する効果があります。そのため、一部の研究では、亜鉛が白髪を予防する可能性がある、また、亜鉛はメラニン色素の生成に関与する酵素の活性化に影響していると考えられています。
白髪の予防や管理には、バランスの取れた食事やストレス管理、適切なケアが重要です。
髪の毛のケアは育毛剤などを使用して亜鉛を取り入れよう
亜鉛は髪の毛と頭皮の健康を維持するために必要なミネラルで、特に髪の毛の主成分であるケラチンの合成に必要な成分です。
亜鉛が不足することで、髪の毛の成長の遅延や髪質の低下、頭皮の悪化、ヘアサイクルの乱れが起き、脱毛や薄毛の原因となるおそれがあります。
亜鉛は牡蛎や赤肉、鶏肉を日々の食事に取り入れることで摂取できますが、亜鉛を効率よく摂取するためにはサプリメントの利用がおすすめです。
また、亜鉛が含まれている育毛剤の使用も、頭皮環境を整えるのに効果的だといえます。
快適生活なら、市販されていないさまざまな育毛剤がある他、定期購入制度があるため通常価格より割安で購入できます。
さらに保湿成分として亜鉛が含まれている育毛剤やサプリメントと育毛剤がセットになっている商品もあるため、ぜひ利用してみてください。
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監修者:石上 ゆき(いしがみ ゆき) 薬事法管理者、コスメコンシェルジュの資格を保有。SEO会社にてリスティング1年、SEOサイトの作成を3年間行う。LP作成やサイト設計を含めた立ち上げから記事執筆、ディレクション、校正などSEOサイト作成が得意。その他、コスメコンシェルジュや薬事法管理者の資格を生かした記事チェックやリライトも可能。 |
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