貧血と抜け毛の関係性とは？
原因や摂取すべき鉄分量を解説
人間の体は、日常の食事や生活習慣、ストレスなどさまざまなものから影響を受けています。
なかでも、特に多くの人が経験する貧血は身体の不調だけでなく、髪の毛にも影響を及ぼすこともあります。
この記事では、基本的な貧血の症状や貧血を起こしやすい人の特徴について解説していきます。
また、貧血による抜け毛を抑えたり、貧血を予防・改善したりするために必要な鉄分の摂取量なども紹介するので、貧血や抜け毛で悩んでいる人はぜひ最後までお読みください。
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【この記事でわかること】 ● そもそも貧血はどのような状態か ● 貧血によって抜け毛が生じる主な原因 ● 貧血による抜け毛が生じやすい人の特徴 ● 貧血による抜け毛を抑えるために摂取すべき1日の鉄分量 ● 貧血による抜け毛を予防・改善する方法 |
そもそも貧血はどのような状態？
貧血とは、血液中の赤血球の数や赤血球中のヘモグロビンの量が、正常値よりも低下している状態です。
WHO基準では、成人男子は13g/dl未満、成人女子や小児は12g/dl未満、妊婦や幼児は11g/dl未満と定められています。
※参考：血液一般のデータ｜仙台産業医科診療所
ヘモグロビンは、酸素を体の各部位に運ぶ役割を果たしており、その量が減少すると細胞への酸素供給が不足することになり、多くの身体的不調が引き起こされるおそれがあります。
● 貧血の多くは鉄欠乏性貧血
● 貧血が起きる原因
● 貧血によって生じる身体の不調
以下では、貧血に関する基礎情報を解説していきます。
貧血の多くは鉄欠乏性貧血
貧血でよく見られるタイプが「鉄欠乏性貧血」です。鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足していることが主な原因といわれています。
鉄は、赤血球の主成分であるヘモグロビンの生成に欠かせないミネラルです。ヘモグロビンは人間の体内で酸素を運搬する役目を果たすため、鉄分が不足するとヘモグロビンの生成が十分に行われず、血液が酸素を運ぶ能力が低下して貧血がおきます。
鉄欠乏性貧血の主な原因は、以下のものがあります。
● 食事からの鉄分の摂取不足
● 鉄の吸収障害
● 長期的な出血
特に月経が来ている女性や妊娠中の女性、成長期の子供たちなどは、鉄の必要量が増加するため鉄欠乏性貧血のリスクが高まります。
貧血が起きる原因
貧血の要因としては、前述の通り鉄分が不足していることのほか、以下も貧血の原因となることが知られています。
● ビタミンB12の不足
● 葉酸の不足
● 骨髄の異常や疾患
● 慢性的な疾患や持病
ビタミンB12や葉酸などの栄養素は赤血球の成熟や分裂に関与しており、不足すると正常な赤血球の生成が妨げられます。
また、骨髄は人間の体の造血組織であり、赤血球や白血球、血小板などの血液成分を生成しています。そのため、骨髄が正常に機能しない場合にも、貧血を引き起こす可能性があるでしょう。
さらに、外傷や手術後の大量出血、消化器系の疾患による出血なども、短期間での貧血の主な原因となるので注意が必要です。
貧血によって生じる身体の不調
貧血は、各組織や器官への酸素供給が不十分となるためさまざまな不調を引き起こします。
筋肉や組織が疲労しやすくなることで、軽い運動でも疲れやすくなるほか、息切れやめまい、立ちくらみが起きるケースも少なくありません。
そのほか、顔色や手足、唇が青白く見える「蒼白」や、心拍数の増加や頭痛、耳鳴りといった症状が現れます。ただし、貧血の程度や原因によって症状は異なります。
貧血の症状は他の疾患の症状と似ている場合があるため、特定の症状が現れた場合や自身の体調に異変を感じた場合は、医師や専門家に相談し、適切な診断を受けることが重要です。
貧血によって抜け毛が生じる主な原因
髪の成長や健康維持には、毛母細胞が十分な栄養や酸素を受け取ることが不可欠です。そのため、貧血は抜け毛が生じる原因になります。
貧血により赤血球やヘモグロビンが不足すると、頭皮や毛母細胞への酸素供給が低下し、髪の成長の遅延や抜け毛が生じます。
また、貧血は鉄やビタミンB12、葉酸などの栄養素の不足によって引き起こされるケースも少なくありません。これらの栄養素は、髪の健康や成長にも欠かせない要素のため、不足した場合は髪の健康状態に影響を及ぼすおそれがあります。
貧血による抜け毛は、体の内部のバランスの乱れや栄養不足など、さまざまな要因が絡み合って生じる現象です。
抜け毛の問題に対処するためには、貧血そのものの原因を正確に診断し、治療や改善策を採ることが重要です。
貧血による抜け毛が生じやすい人の特徴4選
貧血はどのような人でも起きる可能性がありますが、なかでも以下の特徴を持つ人は貧血による抜け毛のリスクも高くなります。
● 女性や高齢者
● 生活習慣が乱れている人
● 日常的にストレスを感じている人
● 何らかの疾患が原因で出血を起こしている人
貧血による抜け毛が生じやすい人の特徴について解説します。
女性や高齢者
女性や高齢者は貧血が起きやすいため、それに伴う抜け毛のリスクが高い傾向にあります。
女性は月経や妊娠・授乳期には母体だけでなく、胎児や乳児にも鉄分が必要です。鉄は、毛髪の成長に欠かせないミネラルであるため、不足すると髪の健康が損なわれ抜け毛のリスクが増加します。
そのほか、女性ホルモンであるエストロゲンの変動は、髪の成長や質に影響を与えるでしょう。更年期などにより女性ホルモンの分泌が減少する場合でも、抜け毛や薄毛につながります。
高齢になると、消化器系の機能が低下し、食事からの鉄分や他の栄養素の吸収が悪くなります。
また、慢性的な疾患を持つ人が増加し、長期的な薬物治療を行うケースも少なくありません。これらが、髪の健康や成長に影響を与え、抜け毛を引き起こすことがあります。
女性や高齢者は特に貧血による抜け毛のリスクに注意を払い、鉄分を含む栄養バランスの良い食事や適切なケアが必要です。
生活習慣が乱れている人
生活習慣の乱れは、貧血などの体全体の健康だけでなく髪の健康にも影響を与えます。特に、不規則な食事や偏った食生活は鉄分やビタミンB群など、髪の成長に必要な栄養素が不足する原因の1つです。
また、睡眠不足により、新しい細胞の生成や古い細胞の修復が行われる夜間に質の高い睡眠が取れないと、髪の健康も損なわれる可能性があります。
生活習慣の乱れは、貧血や抜け毛の原因となる可能性が高いため、日常生活での健康的な選択を意識することが大切です。
日常的にストレスを感じている人
ストレスは消化吸収機能の低下や食欲不振などを引き起こし、それが栄養不足や鉄分不足につながり、貧血や抜け毛のリスクが高まります。
また、ストレスはコルチゾールといわれるストレスホルモンの分泌を促進することで、髪の成長サイクルや鉄の吸収に影響を与え、自律神経の乱れによって血行の悪化を引き起こします。
そして、体の血管が収縮して血行が悪くなると、髪の毛や頭皮に必要な酸素や栄養素の供給が低下して抜け毛や薄毛の原因になります。
何らかの疾患が原因で出血を起こしている人
出血は体から鉄を失う主な原因であり、全体的な栄養状態の低下を引き起こすことがあります。
体内の鉄分が大量に失われることで栄養不足を起こすと、赤血球の生成が減少し酸素や栄養素の運搬能力も低下します。
そのため、髪の毛や頭皮の健康が悪化して抜け毛が増加するでしょう。
また、一部の疾患の治療薬は副作用として貧血や抜け毛を引き起こすことがあるため、定期的な医療機関の診察や適切な治療、栄養補給などを意識しましょう。
貧血による抜け毛を抑えるために摂取すべき1日の鉄分量
貧血による抜け毛を予防する上で重要なのが、十分な鉄分の摂取です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」（2010年版）によると、摂取すべき1日の鉄分量は以下の通りでした。
＜1日の鉄分量の推奨量＞
| 男性（mg/日） | 女性（mg/日） | ||
| 月経なし | 月経あり | ||
| 0～5（月） | 0.5※ | 0.5※ | - |
| 6～11（月） | 5.0 | 4.5 | - |
| 1～2（歳） | 4.5 | 4.5 | - |
| 3～5（歳） | 5.5 | 5.0 | - |
| 6～7（歳） | 6.5 | 6.5 | - |
| 8～9（歳） | 8.0 | 8.5 | - |
| 8～9（歳） | 8.0 | 8.5 | - |
| 10～11（歳） | 10.0 | 10.0 | 14.0 |
| 12～14（歳） | 11.5 | 10.0 | 14.0 |
| 15～17（歳） | 9.5 | 7.0 | 10.5 |
| 18～29（歳） | 7.0 | 6.0 | 10.5 |
| 30～49（歳） | 7.5 | 6.5 | 10.5 |
| 50～69（歳） | 7.5 | 6.5 | 10.5 |
| 70（歳）以上 | 7.0 | 6.0 | - |
「令和元年国民健康・栄養調査」によると、一般食品からの鉄分の摂取量は平均7.6mgであるため、成長期である8～17歳の男女や月経中の女性は、意識して摂取する必要があります。
摂取した鉄分のすべてが体に吸収されるわけではないため、食事だけで十分な量の鉄を摂取できない場合はサプリメントなどの利用が便利です。
貧血による抜け毛を予防・改善する方法
髪の毛は栄養素や酸素を必要としており、貧血が起きると十分な供給が得られなくなるため、髪の毛の健康が損なわれることがあります。そのため、貧血の予防と治療は、抜け毛の予防にも直接つながるといえます。
ここでは、貧血による抜け毛を改善・予防する6つの方法を解説します。
● 栄養のある食事を意識する
● サプリで鉄分を補う
● 生活習慣を見直す
● 運動を取り入れてストレス発散や血行促進を促す
● 育毛剤で抜け毛の改善を促す
● 症状がひどい場合は医療機関を受診する
順番に見ていきましょう。
栄養のある食事を意識する
人間の体は食事から摂取した栄養素をエネルギーや身体の構築などに使用しており、特に髪の毛の健康は栄養バランスが整っていることが鍵です。
貧血による抜け毛を予防・改善するためには、鉄分を豊富に含む食材を摂取することが必要ですが、それだけでなく髪の成長をサポートする他の栄養素も重要です。
鉄分は酸素を体の各部位に運ぶ役割があり、これによって頭皮や髪の毛の細胞に酸素や栄養が供給されます。
鉄分が不足すると、酸素の供給が不十分となることで、抜け毛の原因になります。鉄分を多く含む食材は、以下の通りです。
● レバー
● 赤身の肉
● 魚
● 卵
● 豆類
● 緑黄色野菜
また、ビタミンCやビタミンE、亜鉛、ビオチンなどの髪の健康に良いとされる栄養素もバランス良く摂取することが大切です。
特に、ビタミンCは鉄の吸収を助ける役割があり、鉄分を含む食事と一緒に摂取することで、鉄の効率的な摂取が期待できます。
また、ビタミンEは抗酸化作用があり、頭皮の健康を保ちます。食事の際には、バランスの良い食事を意識することはもちろん、加工食品やファーストフード、過度な糖分の摂取を避けることも重要です。
サプリで鉄分を補う
食事だけでは鉄分の摂取が難しい場合や、特定の生活習慣や状況下で鉄分が不足しやすい場合、サプリメントを利用して鉄分を補う方法がおすすめです。
サプリメントは多くの種類が市販されており、鉄を含むものは多数存在します。購入する際はサプリメントに含まれる鉄の量や、鉄の吸収を助けるビタミンCやミネラルが含まれているか確認しましょう。
ただし、過剰に鉄を摂取すると、便秘や胃の不調などの副作用が起こることもあります。そのため、長期間サプリメントを摂取する場合などは定期的な健康診断や血液検査を受けて、体内の鉄の状態をチェックすることをおすすめします。
生活習慣を見直す
貧血やそれによる抜け毛の予防・改善のためには、生活習慣の見直しも重要です。
質の良い睡眠は、鉄の吸収を妨げるコルチゾールの分泌を減少させる効果があるほか、ノンレム睡眠の段階では、成長ホルモンが分泌されることが知られています。成長ホルモンの分泌により、骨髄における赤血球の産生もサポートされると、貧血の改善や予防につながります。
また、アルコールやタバコは体内の鉄分の吸収を妨げることが知られています。特に、タバコは血流を悪化させ、抜け毛の原因となることもあるため、量を抑えることが大切です。
運動を取り入れてストレス発散や血行促進を促す
運動をすることで心拍数が増加し、血液の循環が活性化します。血行が促進すると、骨髄に十分な酸素や栄養素を供給してヘモグロビンの生成を助けます。
また、血行が良くなることで頭皮が健康的な髪の毛を作るための栄養や酸素が運ばれるため、薄毛や抜け毛の予防に効果的です。
運動することで、エンドルフィンやセロトニンなどの「幸福ホルモン」と呼ばれる物質が放出され、ストレスが軽減されます。運動は、ウォーキングやヨガなどの毎日継続できる程度の軽いものを自分に合った方法で実施しましょう。
育毛剤で抜け毛の改善を促す
抜け毛が気になる場合は、育毛剤の使用も手段の1つです。育毛剤で貧血は対処できませんが、抜け毛の悩みや薄毛に対する対策としては有効です。
乾燥や皮脂の過剰分泌、炎症などの頭皮トラブルは、毛根や毛母細胞に悪影響を及ぼし、抜け毛の原因となります。
育毛剤には頭皮の血行を促進する成分や、頭皮のトラブルを抑える成分が含まれており、継続利用することで頭皮環境を整えられます。
快適生活では、さまざまな育毛剤を取り扱っています。定期購入も可能なため、買い忘れも防止できます。育毛剤を検討している人は、ぜひ一度快適生活をご利用ください。
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症状がひどい場合は医療機関を受診する
自分でできる対策を行っても貧血や抜け毛の症状がひどい場合は、脱毛症や疾患が関係している可能性があるので医療機関を受診してください。
特に、貧血の症状が強かったり持続したりする場合には、胃腸の出血や慢性の疾患、骨髄異常などの重大な原因が考えられます。そのため、速やかに医療機関の受診が必要です。
貧血による抜け毛に関するよくある質問
最後に、貧血による抜け毛に関する3つのよくある質問にお答えします。
● 貧血は白髪にも関係がある？
● 貧血による抜け毛を放置して治ることはある？
● 貧血による抜け毛は市販の薬で治療できる？
順番に見ていきましょう。
貧血は白髪にも関係がある？
貧血が直接的に白髪を引き起こすわけではないものの、鉄欠乏や全体的な健康状態の低下など、貧血に関連する要因が白髪の原因となる場合が考えられます。
白髪の主な原因は遺伝や加齢、ホルモンのバランスの乱れ、ストレスなど多岐にわたります。そのため、貧血だけを白髪の原因として特定するのは困難といえるでしょう。
貧血による抜け毛を放置して治ることはある？
貧血による抜け毛が放置して自然に治るかどうかは、貧血の原因や程度、その他の健康状態によって異なります。
例えば、貧血の原因が栄養不足や月経、手術などの一時的なものである場合、原因が解消されれば貧血も改善され、抜け毛も減少する可能性が高いといえます。
一方で、慢性腎臓病や自己免疫疾患などの慢性的な疾患が貧血の原因となっている場合、その疾患や状態の治療・管理が必要なため、放置しているだけでは抜け毛の状態は改善されません。
貧血による抜け毛は市販の薬で治療できる？
市販の薬やサプリメントは、一部の貧血やそれに伴う抜け毛の原因に対して有効である可能性があります。ただし、それらを頼りにするのではなく、貧血の原因を特定し適切な治療を受けることが重要です。
特に、症状が酷い場合や続く場合は、貧血の原因が子宮筋腫など他の疾患が関係しているおそれがあります。そのため、市販薬ではなく医療機関を受診しましょう。
貧血と抜け毛の関係性を理解して早急に改善しよう
貧血の主な原因は鉄不足であり、髪の毛の成長をサポートする毛母細胞への酸素供給を阻害することで髪の毛は弱くなり、抜けやすくなります。
女性や高齢者、ストレスを日常的に感じている人、生活習慣が乱れている人などは、貧血による抜け毛のリスクが高いとされています。そのため、鉄分を豊富に含む食事の摂取、適度な運動や質の良い睡眠など、日常の生活習慣を見直して貧血やそれに伴う抜け毛を改善し予防しましょう。
頭皮の乾燥や炎症、抜け毛が気になる際は育毛剤の使用がおすすめです。快適生活なら、さまざまな種類の育毛剤を取り扱っているため、自分に合った価格や使い心地、成分から選べます。
育毛剤の利用を検討している人は、ぜひ一度快適生活でお買い求めください。
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監修者：石上 ゆき（いしがみ ゆき） 薬事法管理者、コスメコンシェルジュの資格を保有。SEO会社にてリスティング1年、SEOサイトの作成を3年間行う。LP作成やサイト設計を含めた立ち上げから記事執筆、ディレクション、校正などSEOサイト作成が得意。その他、コスメコンシェルジュや薬事法管理者の資格を生かした記事チェックやリライトも可能。 |
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